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ピアノお悩み「譜読みが遅い。すらすら読めず、母が教えてしまっている」
こんにちは、ピアニストの山崎綾子です。
先日、小1の女の子のお母さんから、こんなご相談を受けました。
音符がすらすら読めず、私(母)が教えてしまっています。
読めるようにするには、どうすれば良いですか?
楽譜(音符)を、読める・読めないにも、段階があります。
一番最初の段階、つまり、ピアノ教室で、まだ、音符の読み方を習っていない場合は、当然、読めませんね。
順番に、見ていきましょう。
① 一人で楽譜が読めない。音符の読み方が、分からない。
「音符(楽譜)が、ほとんど読めない」の原因は、例えば以下のようなものが考えられます。
・まだ、ピアノ教室で、楽譜の読み方を教えられていない(習い始めたばかり。または先生が教えてくれていない)
・楽譜の仕組みが、分かっていない
・線上にある音符と、線間にある音符の、区別がついていない
楽譜(音符)の「決まり」を、理解していなければ、読むことはできません。
「楽譜の決まり」とは、要するに、「五線譜の上で、音符がこう動くと、こういうふうに音が変わっていくんだよ」ということです。
言葉で書くより、実際にやってみせた方が、早いですね。
初期の段階、つまり、習い始めたばかりの生徒さんには、
・声に出していっしょに歌ったり
・指で、音符をなぞったり
視覚・聴覚・触覚・運動感覚など、いろいろ使って、身体(頭)に染み込ませていきます。
この、「楽譜を読む力をつける」のは、得意不得意があるので、時間をかけて、じっくり取り組む必要があります。
ピアノのテキストがだいぶ進んでいるにも関わらず、ほとんど読めていないという場合は、そこの部分を、ピアノの先生が、丁寧に教えていない可能性があります。
(けっこう、多いです、そういうパターン。それで私のところに来て、1からやり直しとか、よくある)
家でも何かやりたい、という場合は、五線のマグネットシートや、音符カード、ドリルなど使って、遊びながら覚えていけると良いですね。
ドリルは、少しずつ対象年齢が違いますので、中身を必ず見てからご購入されると良いです。
② ピアノの譜読みが、遅い。音符を、すらすら読めない。
さて、ご相談の生徒さんは、おそらく②のパターン、
・読める(楽譜の決まりは、分かっている)けれど、非常に時間がかかる。
・譜読みが遅い。ゆっくりでしか、読めない。
・すらすら読めない。
ですね。
珍しいことではないです。
小1くらいの年齢なら、まだまだ当たり前といってもいいです。
というか、この感じ・・・
「文字を読むスピードの発達段階」と、よく似ていませんか?
小学1年生って、まだ、国語の教科書も、たどたどしくしか読めない子も、多いですよね。
だから学校では、音読の宿題が出るのです、毎日。
楽譜も、スラスラ読めるように、音読の宿題が出るのと同様、私ならこうします。
・たくさんの曲に、触れさせる。(練習する曲の量)
・練習する際は、いきなり弾かせず、音符を声に出して読ませる。
・あとは、それらを日々行いながら、成長を待つ。
です。
たくさんの曲を弾くこと、つまり「量を読むこと」は、大事です。
少ない曲数では、音符を読む練習にはなりません。
1冊の絵本だけを与えただけでは、いくらその本が良書だとしても、音読がスラスラ出来るようにならないのと同じです。
100冊の絵本を与えるのと同じように、いろんな曲を弾く。
そのうちに、少しずつ、読譜能力が育っていきます。
ピアノの練習で、譜読みが遅い場合の、おすすめ練習
まず、ピアノを弾く前に、「音符を声に出して読む練習」をしましょう。
つい、初めからピアノを弾きたくなってしまう子(+弾かせたくなってしまう大人)ほど、このステップを挟むことが大事です。
読めなかったら、読めるようになるまで、何回も繰り返して読む練習をしましょう。
小さいお子さんなら、一緒に読んであげてもいいです。
慣れてきたら、だんだんと手を離してあげて。
たくさんの音符を声に出して読んでいくうちに、だんだんと、すらすら読めるようになっていくはず。
すぐにはできるようになりません。
じっくり、練習を重ねながら、その時が来るのを楽しみに待つ、という忍耐力も、大人には必要ですね。^^
ちなみに、音名をブツブツしゃべりながら練習するのは、ピアニストでも、普通に(?)やります。
「口でしゃべれないものは、指でも弾けるはずがない!」は、私のレッスン語録の中でも有名なセリフです(?)
音符が読めないんじゃなくて、指が正しい場所に行けないというパターンもあり
あと、本当は読めるんだけど、指をうまく動かせないだけという可能性もあります。
・音符を声に出して読める
のと、
・その通りに指を動かせる
は、要求される能力が違います。
その音が、鍵盤上で、どこにあるのか?
パッと、正しい場所に、手や指が、動けるか?
これも、初期の段階で、丁寧に覚えておかないと、いつまで経っても、
「ドって書いてあったら、どこのド弾いても良いんかい!」と私に突っ込まれることになります。(笑)
音程(音の幅)の感覚も、大事。
楽譜の通りに、指が動くようにするには、いろんな要素が必要で、これは、楽譜ばっかり読んでいても、身につかないことです。
これも、日本語の能力と、同じかもしれませんよ。
小学1年生の国語の時間なら、音読も、大事。
自分の思ったことを、発表することも、大事。
「音読」が楽譜を読んで弾くことなら、「自分の思ったことを言う」のは、思い浮かんだメロディを、鍵盤で弾いてみること。
例えば、知っている歌、チューリップとか、かえるのうたとか、頭に浮かぶ曲を、楽譜なしで、鍵盤で弾いてみる。
最初の「さいた〜」は、音は上がるの?下がるの? その後は?
「どのはな見ても」は、音のあいだは、どれくらいひらいているの?
結局、これって、音感にも関わってくることでもありそうです。
たくさんの曲を、声に出しながら練習。譜読みができるようにしていこう!
譜読みができるようになるためのポイントを、まとめます。
・初期の段階は、とにかく丁寧に、五感を使いながら、身体に染み込ませていく。
・たくさんの曲に、触れさせる。(練習する曲の量を多くする)
・音符を声に出して読んでから、弾く。いきなり弾かない。
・すぐ読めるようにはならない。時間が必要。練習を日々行いながら、成長を待つ。
・音符が読めていても、手や指がその場所にパッと動かない場合もある。(別の練習も必要)
こんな感じでしょうか!
読譜の能力は、とても大事です。
遅くとも、小学校中学年までには、自力で楽譜が読めるようにしておきたいです。
ピアノを習っているのに、いつまで経っても楽譜が読めるようにならない、とお悩みの方は、オンラインピアノレッスンでも指導が可能ですよ。
一度お気軽にご相談くださいね。