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ピアノコンクール、予選を通過できなかったのは、なぜ?
こんにちは、ピアニストの山崎綾子です。
山崎綾子ピアノ教室では、2021年は、ピティナコンペに挑戦した生徒さん3人「全員」が予選を通過して、本選でも全員が優秀賞をいただきました。
そして、2022年のピティナでも、素晴らしいことに
・本選奨励賞5人
・本選優秀賞2人
・本選第1位で全国大会が1人(2つの級で全国出場)、
2023年のピティナでも、ほぼ全員の生徒さんが、予選を通過しました。
どの生徒さんも、本当によく頑張っています。
コンクールシーズン、インスタグラムなどを見ると、
「予選通過しました!」
という喜びの投稿が沢山載っています。
それを見ていると、一瞬、みんな予選を通ったのかと錯覚しそうになりますが、
ピティナは、予選通過率3割の、厳しい戦いです。
半分以上の人が、涙を飲んでいるのです。
10人のうち、予選通過したと喜んでいるのは3〜4人だけ。
あとの6〜7人は、がっかりしたり、泣いたり、モヤモヤしたり、ショックを受けたり。
さて、落ちてしまった人は、どうして落ちてしまったのでしょうか???
3年、ピティナの指導をしてきて、見えてきたことを書いてみたいと思います。
まだまだ私も駆け出しの指導者ですので、あくまで「現時点での」「私の」考えです。
「ピアノコンクール本番、緊張してうまく弾けなかった…」は、実はウソ?
落ちてしまったら、必ず「どうして私はダメだったんだろう…」と考えますよね。
うまくいかなかった理由は、こんなところかな?
そして、その理由は、
…みたいな感じでしょうか。
でもそれ、たぶん、「緊張のせい」「運のせい」ではありません。
実は、レッスンの時点で、既に「その子が予選通過するかどうか」は、私からはほとんど見えています。
ものすごく極端に言えば、
緊張しようがしまいが、
受かる子は受かる。
落ちる子は落ちる。
レッスンの時の弾き方、態度で、既に結果は見えてしまっているのです。
言い訳①緊張してうまくいかなかった?
緊張、すなわちメンタルコントロールは、本当に難しいです。
私は、圧倒的に苦手です。
冷たくなって震える手、足(私はお腹まで震えます)。
暗い舞台袖の、あそこにしかない独特の雰囲気。
緊張してしまう人にとっては、自分との戦いが、一番きついですよね。
(緊張をほとんどしない人は、素晴らしい!そのまま突き進んでいってください!)
でも、残酷ですが、緊張したからうまく弾けなかった、というのは、言い訳にしかならないのです。
おそらく、ガタガタに緊張する人は、練習が足りないです。(自戒含む)
レッスンの時に、まだ突き詰められていないな…と私が感じる子は、緊張しようがしまいが予選落ちしてしまうのですが、大抵「緊張した」と言います。
緊張するうちは、練習が足りない。
「緊張したからうまく弾けなかった」というのは、つい出てしまう言い訳ですが・・・
緊張してなくても、そもそもレッスンの時点でも(そして多分、お家でも)そんなに上手には弾けてないんです、あなたは。厳しい言い方ですけれど。
言い訳②前の子が上手すぎた?
・順番のせい(一つ前に、よっぽど上手い子が演奏した)
・運のせい(レベルの高い地区だった)
という理由で落ちることは、予選段階では、まずありません。
審査員の先生の目と耳は百戦錬磨ですので、予選レベルで「実力のついている子を見落とすようなことはない」です。
本選から全国となると、これはちょっと関係してくると思います。
ピティナの本選なんか、ほんの紙一重の差のことが多いです。
みんな本当に上手な子が多いですから。
(でも、本選曲にどれくらい時間をかけてきたか、というのは聞いていれば分かります。予選終わってから本選曲を始めている子とそうでない子では雲泥の差)
でも、順番とか、他の子がうまいかどうかなんて、自分にはどうしようもできないことですからね。
他の人のことをいくら考えても自分のピアノが変わるわけではありませんから、自分の一番良い演奏ができるように集中した方が良いですし、それができたらあとは神に運を任せるしかないのでしょうか。
その時一回の結果(審査員の先生はもちろん本気で審査をしていますが、その時の空気・雰囲気など少しのことで点数が変わったりします。だから結果は絶対的なものではないです)より・・・
今まで長い時間をかけて練習してきた大切な曲で、他の人に惑わされず、良い本番ができた!という経験の方が大事です。
言い訳③本当に「運」が悪かった?
本当に、上手に弾けていたのに、本番でこれまでにないようなことが起きた、ということも、ないわけではありません。
うん、気の毒だけどね・・・
でも、これも、練習の中で、どこかに予兆があることが多いなと思います。
自分の経験からも、生徒さんを見ていても、そう思います。
・良い音、質の高い音(正しいだけの汚い音ではなく、綺麗な音、伸びやかな音、輝く音)
・音楽に対する集中力
を普段のレッスンで十分に養っておくことができれば、本番にそう大きく崩れることもない。
舞台では「奇跡」は起きないけれど、逆に「大事件」も、そうは起きないものです。
まとめ
本番が終わってから、初めて自分の未熟さに気づく…、ピアノを真剣にやっている人なら、誰でも味わうこの感情。
どれだけ練習しても、100点満点!ということは、人生の中で一度か二度、あるかないか、という感じだと思います。
ピアノって、やってもやっても終わりがなくて、つくづく大変です!
でも、だからこそ、ピアノは面白い。
少しでも悔いなくやりたいと思ったら、大事なのは、ピアノに対して、まっすぐ正しく頑張れること。
ピアノに対する熱意、やる気、素直さも大事です。
頑張る方向を、先生が正しく導いてあげられれば、一定の結果は出るように思います。
レッスンの時点で、9割、予選通過するかどうかはわかります。
とはいえ、私もまだまだ新米です。
生徒の結果は自分の鑑。
もっと勉強していきます。